定番品が持つ個性

既製ラインの外羽根プレーントゥ。

少しずつですが、アトリエショップとEuphonicaさんから旅立っていきました。

現在のアトリエショップ在庫は24が2足、26.5と27が各1足ずつ。Euphonicaさんの在庫は25.5が1足です。(価格は税込¥59,400)

 

黒の外羽根プレーントゥは紳士靴の大定番。ドレスシューズを得意とするメーカーはもちろん、ワークブーツのメーカーで定番としてラインナップされていることもあります。

言葉では「黒の外羽根プレーントゥ」としか表現できませんが、それぞれの靴を見ると実は個性があります。その個性はメーカーの考え方やルーツによるものなので、見比べてみるとなかなか面白いものです。

すっきりした丸さと軽さ。主張しすぎず、履く人に自然と馴染んでくれれば良いと考えています。

作りと履き心地は、靴としての剛性を保ちながら足あたりをできるだけ柔らかくしています。

 

こちらのプレーントゥ、現在追加生産に向けて革を探しております。現行の革よりも素朴さを少し抑えつつ、綺麗に見える革が理想なのですが…

きちんとサイズが揃った時には改めてお知らせいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

できないこと、できること

久しぶりのブログ更新となってしまいました。

先日の営業日のお知らせでお伝えした通り、今月からアトリエショップの基本営業日を水曜日と土曜日に変更いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、本日はdelightful toolの靴では「できないこと」についてのお話です。

delightful toolの靴はオーダーシューズです。しかし「何でもできる」「どんな靴でも作れる」わけではありません。オーダーシューズという言葉以上にdelightful toolの靴を明確に表現できる言葉があれば…と考えてみるのですが、これが中々難しいのです。

そこでできるだけ正確に分かりやすくdelightful toolの靴をお伝えするには、できないことを明確にしておかなければと思った次第です。

まず今回お伝えするのは、靴の印象を大きく左右するこの部分の形状(トゥシェイプ)について。

こちらの形状変更はできません。トゥシェイプは靴のベースとなる木型で決まっています。現状delightful toolで使っている木型は1種類ですので、お作りいただく靴はこの丸みのある形状から動かすことができません。

製作事例などの画像をご覧いただき、「この丸みが良い。好き。」と思われた方は是非履き心地を試してみてください。サイズ23~27で、外で履けるサンプルシューズをご用意しております。

今後も「できないこと」「できること」については、できる限りきちんとお伝えしていきます。delightful toolの靴に興味を持っていただいた方、オーダーをご検討されている方の一助になればと思っておりますので。

サイズバランス

梅雨入りした割には、今年はカラッと晴れる日が多い気がします。今日は半袖一枚で外を歩くと気持ち良いですね。

半袖はTシャツも悪くありませんが、私は襟付きのシャツが落ち着きます。

こちらは購入したばかりのリネンシャツ。サラッと気持ちよく着れる一枚です。

 

このシャツ、私にとっては貴重な一枚。

というのもシャツはサイズ選びで困ることが多く、フィット感に満足できる既製品が見つかることがほとんど無いのです。

身長の割に肩と首回りが大きいので、ここに合わせると大抵のシャツは全体のサイズ感が大きく長くなってしまいます。逆に身幅や着丈を優先すれば、今度は肩と首が詰まってしまって窮屈な着心地に。

このシャツは肩幅と首回りに対する身幅と着丈のバランスがちょうど良いです。しかも価格はお手頃。袖を通した時は、思わず嬉しくなってしまいました。

 

こういったサイズバランスは何においても大切です。

手前味噌ですが、ANCHOR BRIDGEの村橋さんが削った木型は本当にバランス良くできています。初めて作ってもらったサンプルシューズを履いた時は、そのバランスの良さに感動しました。

指の付け根周辺(ボールジョイント)から指先にかけてはゆったりと。指が締め付けられず、開放感があります。

 

インステップと呼ばれる部分は、高さは低め、周り寸法も小さめに設定されています。

このバランスゆえ指周りを開放させたからといって、画像のように羽根(紐を通している部分、甲周りを押さえるパーツ)が閉じ切ってしまうことは少ないです。

 

色々な既製靴で羽根が閉じてしまう私も、馴染んできた靴でこのくらいの余裕があります。

羽根の間がある程度開いていれば、足の状態に応じて甲周りの締め加減を調整できます。

指周りを開放させているからといって、全体が緩い履き心地ではありません。押さえるべきところはしっかりホールドしてくれる構造です。

ご興味をお持ちいただいた方は、外を歩けるサンプルシューズをお試しください。限られた曜日と日数ではありますが、大和市のアトリエショップでお待ちしております。

足の小指が当たってしまう方へ

今日はどんよりとした曇り空ですが、昨日はここ神奈川県大和市も真夏日でした。

そんな暑さの中サンプルシューズを試してみたいと、お客様がアトリエショップまで足を運んでくださいました。真夏日、しかも遠くからお越しいただき本当にありがたいです。

足を計測した後、こちらのサンプルシューズで外を歩いていただきました。

 

小指が当たりにくい外側のライン。

 

レースステイ部分(靴紐を通すパーツ)からつま先にかけての薄さ。

木型のポイントをしっかりと感じていただけたようで、「これなら大丈夫そうです」と既製ラインのプレーントゥをお買い上げいただきました。お聞きするといつも小指が当たってしまい、フィッティングと価格のバランスで納得できる靴がなかなか見つからなかったとのこと。私自身もずっと同じ悩みを持っていましたので、このような形でdelightful toolの靴をお選びいただけたことが嬉しかったです。

既製のプレーントゥは梅雨でも気にせず履ける甲革と底材の組み合わせですので、どんどん履いて足に馴染ませていただければと思います。F様、この度は誠にありがとうございました。

 

小指がいつも当たるとお悩みの方は、まず外を歩けるサンプルシューズを履いてみてください。試し履きだけでも全く問題ございませんので、問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

またdelightful toolの靴の履き心地のポイントをまとめた記事もございます。言葉で伝えるのは中々難しいのですが、「一体どんな靴なのか?」気になった方は是非こちらの記事もご一読ください。

革の荒裁ち

日中の暑さがこたえます。今日の東京は、今年初の真夏日のようです。

冷房を使うのはちょっと…と思い、昨日は扇風機を回しながら革をカットしていました。

私が行うのは「荒裁ち」と言って、型紙に合わせておおよその形状に革をカットする工程。荒裁ちした革は、他の資材とまとめて神戸のANCHOR BRIDGEさんに送って製作を進めてもらいます。

荒裁ちとはいえ、革のコンディションを見ながら型紙を配置してカットする必要があります。

傷のある部分は避けなければいけませんので、カット前にあらかじめ印をつけておきます。

傷をチェックするとき、荒裁ちするとき。革の状態を確認しながらの作業では十分な光が必要です。照明だけでも何とかなるものの、できるだけ自然光が入る窓際で日中に作業しています。

窓際での作業は革の状態がしっかり確認できるのはもちろん、自然光を体で感じることができてなかなか良いものです。

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