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作り手が丁寧に作りこんだ道具を、使い手にきちんと伝え、届けます。

一本のブラシから

ニッポン放送のオールナイトニッポン、TBSラジオのJUNK。フリートーク、ハガキ職人のネタを楽しめるAMの深夜放送はいつまで経っても好きです。とはいえ日中の番組も良いものです。特に土日のFM。TOKYO FMのサンデー・ソングブックなどは流しているだけで安心感と心地良さがあります。深夜のAMと日曜日のFMでは全く趣向が違うので比較するものではありませんが、パーソナリティや番組の個性を楽しめるのはラジオの大きな魅力ですね。

前置きが長くなってしまいました。本日は先週からの流れで、革靴のメンテナンスについてお話したいと思います。

メンテナンスの基本はブラッシング。一日履いたら二日間は休ませ、靴を脱いだ際にはブラッシングを欠かさない。これだけでも革靴の持ちはだいぶ良くなります。

ご自宅に靴専用のブラシが無ければ、まず一本用意してください。初めから色々な種類のブラシを複数本揃えなくても大丈夫です。「使い分けが複雑!」「ブラッシングも面倒!」と感じてしまっては元も子もありませんので。

雑貨店の靴用品コーナーや靴の専門店には様々な種類のブラシがあって迷ってしまうと思いますが、私が最初の一本としてお勧めするのは白い豚毛のブラシです。

日々のブラッシングの主な目的は表面の汚れを落とすことなので、毛質はそれほど問題にはなりません。馬毛でも豚毛でも化繊でもOKです。

私が白の豚毛をお勧めするのは後々ブラシを買い足した時にも、適切な役割を与えて活躍し続けてくれるからです。

複数本のブラシを使い分ける場合、豚毛ブラシはクリームを塗った直後に使うブラシとして活躍してもらいます。豚毛は触っていただくとシャリっとしていて、馬毛などに比べると硬い毛です。革靴に塗ったクリームを馴染ませてツヤを出すためには、この毛の硬さやコシの強さが欠かせません。また毛が白いブラシは付着するクリームの色が分かりやすく、革とクリームの色によってブラシを使い分ける際に便利です。

このような理由もあって、新しいブラシを買い足したとしても白の豚毛ブラシは活躍の機会を失いにくいです。せっかく買ったブラシであれば、長く使い続けられた方が良いと思うのです。

ちなみにブラシを選ぶ時には、実際手に持ってみてください。大きさと形状が手に馴染むかどうかは大切ですので。

最後に。ブラッシングは習慣にできるかどうかが重要です。感覚的な話になってしまいますが、生産の背景や見た目も含めて「日々使い続けたい」と思わせてくれるブラシかどうか…そんなことを考えてみても良いかもしれません。

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適切なアイテム選び

本日も革靴のメンテナンスについてのお話です。

お気に入りの一足と長く付き合うためには、手を加え過ぎないことが大切です。それともう一つ。適切なアイテムを使ってあげること。

革の乾燥を防ぐために塗るのはこのようなクリームです。

 

「乳化性」と表記されたものを選んでください。

乳化性のクリームは革の乾燥を防ぎ、革にツヤも出してくれます。色が着いたクリームであれば、革の抜けた色を補うこともできます。

 

一方こちらのタイプ。

「油性」と表記されたものはツヤを出す力に特化したワックスです。このようなワックスは乳化性のクリームだけではツヤが足りないとき、ワックスを塗った膜で防水力を高めたいときに使います。革の乾燥を防ぐ、革のコンディションを整えることが目的の場合、ワックスは使わなくても問題ありません。

革靴を長持ちさせるため、メインで使うアイテムは「乳化性のクリーム」です。国内外のメーカーが様々な皮革製品用の乳化性クリームを出していますが、適切なタイミングで適量を塗ってあげればどのクリームもきちんと効果が得られます。手元に色が合った乳化性のクリームがあれば、まずはそちらを使ってみてください。新しいクリームを探すのは、そちらを使い切ってからでも問題ありませんので。

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手を加え過ぎない

庭に出ると甘い香り。アトリエショップの窓際にある沈丁花です。

 

こちらは仲町台のEuphonicaさんを訪ねた際に花をつけていたミモザ。春を知らせてくれる花々は良いものですね。

 

今回はオーダーシューズから少し離れまして、革靴全般のメンテナンスについてお話したいと思います。

革靴のメンテナンス方法については様々な情報がありますし、靴の専門店や雑貨店には多くのメンテナンス用品が並んでいます。週末の靴磨きを趣味にされている方もいらっしゃるかと思います。

修理のタイミングなどを逃さないためにも、ご自身の靴をマメにチェックすることはとても大切です。とはいえ、靴を大切にするあまり手を加え過ぎてしまうのは良くありません。

たとえば週に1回のペースで履く靴でしたら、脱いだ後のブラッシングだけでしばらくは問題ありません。ブラッシングだけで消えない擦れ跡があれば別ですが、新たに靴クリームを塗るのは1ヶ月に1回ほどのペースで問題ありません。

とはいえ常にピカッと磨き立ての状態にしておきたいという方もいらっしゃるかと思います。

そんな場合はこのような液体クリーナーを使って、以前塗った靴クリームをリセットするのを忘れないでください。クリーナーがなければ軽く水拭きをしていただいてもOKです。

古いクリームのリセットは頻繁にクリームを塗る方でなくても大切なのですが、靴を磨く頻度が多い方はより意識していただくと良いです。過剰に塗られたクリームは革を割れやすくしてしまうのでご注意ください。

液体クリーナーや水拭きは(注意書きを良く読んで)サッと拭き取るように使っていただければ問題ありません。ただしクリーナーと革との相性はありますので、初めて使う際には目立たないところで試してみてください。

 

革靴のメンテナンスはシンプルで簡単なものです。お気に入りの一足と長く付き合うためには「手を加え過ぎない」感覚も大切だと考えています。

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クリームは”塗る”より”刷り込む”

シューケア、靴磨きを行う目的は主に2つあります。一つは革靴のコンディションを整えること。皮革に適度な潤いや柔軟性を与え、靴を長持ちさせます。もう一つは靴を綺麗に見せること。擦れ跡などを目立たなくして、ツヤを与えます。

シューケア、靴磨きの楽しさはこの「ツヤを出す」部分だと思います。乾燥した革に潤いとツヤが戻った瞬間が嬉しくて、靴を磨いているという方は多いはずです。私もそんな一人です。

革の種類にもよるのですが、ツヤを出すためには一つポイントがあります。これも革靴を通じて色々な方とコミュニケーションを取る中で気づいたことです。

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ツヤを出すために大切なのはクリームの塗り方です。このようにクリームをしっかりと刷り込みます。クリームを塗るためのブラシ(ペネトレイトブラシ)を革にグッと押し付けながら、グルグルと動かす。その後、コシがあるブラシ(豚毛や化繊)で靴全体をブラッシングします。

表面の加工が少なく、クリームを吸収しやすい革には効果が高い方法です。ツヤがいまいちと思った時には是非お試しください。

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靴磨きを失敗する2つの原因

「やっぱり靴磨きはプロに任せるものだよね!」

このようなお言葉を頂戴すると嬉しいです。磨き上がった靴を見て喜んでいただけたのだなと安心します。ただそれと同時にちょっと複雑な心境でもあります。靴磨きを何か特別な、難しいものに見せてしまったのではないかと。

靴磨きは簡単です。お手持ちの革靴のコンディションを整え、綺麗に見せることに特別な技術は要りません。ほんの少しの知識と必要最低限の道具を持っていただければ誰にでもできます。ほんの少しの知識はコツというより、「これをやると必ず失敗する(=革にツヤが出ない)こと」を押さえてください。ポイントは2つです。

 

ミンクオイルを使うと失敗する。


少し振り切った書き方ではありますが、ミンクオイルを使うと革にツヤは出ません。実はミンクオイルは、相性が良い革が限られています。磨いて綺麗にしたいと思われている靴の多くは、ミンクオイルではべたついてしまうはずです。

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パッケージに”乳化性”と書かれたクリーム。ハンドクリームのような質感のものが、通常の靴クリームです。ミンクオイルではなく、このようなクリームを使ってください。仕上がりはサラッとしていて、革にはツヤが出ます。同時に革に必要な油分も補給できます。革の色がよほど抜けていなければ、無色(ミュートラル)のクリームで問題ありません。

 

クリームを沢山塗ると失敗する。


良かれと思って塗った沢山のクリームのせいで、ツヤは出ません。革はそんなに沢山のクリームを必要としていません。

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適量はこのくらい。米粒2・3粒とか、コーヒー豆1粒くらいの量です。この量を靴全体に伸ばして、すぐにブラシ(豚の毛などコシがあるブラシ)をかけます。


革靴を通じて今まで多くの方とお話してきましたが、この2つを実践してしまっているケースは非常に多かったです。「ビジネスシューズにミンクオイル塗っちゃってた」「クリームを沢山塗った方が綺麗になると思ってた」思い当たることがあれば、ほんの少し軌道修正してみてください。その靴は意外と簡単に、綺麗になるはずですから。

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