靴の製作に入るまで

昨日は靴の仕上げをご紹介しましたので、今回は靴の製作に入るまでのお話をしたいと思います。

 

足の計測はメジャーなどを使って行います。

計測したデータを元に、足に合ったサイズのサンプルシューズをご用意します。実際に履いて外を歩いていただき、フィッティングを確認します。

 

木型を削ることはできませんが、親指や小指などが当たる場合はこのような調整を施します。

 

お選びいただいたサイズ、デザインの型紙に合わせて革をおおよその形に裁断(荒裁ち)します。調整した木型、荒裁ちした革、中底などの副資材はまとめてANCHOR BRIDEさんのアトリエに送ります。ここまでが靴の製作をスタートしてもらうまでの工程です。

私は靴を形にできる職人ではありませんが、より良いフィッティングやお客様への十分なご提案のために上記の工程を自身で担当しています。このような流れがお客様と職人さんの橋渡しや、オーダーで感じてしまう敷居の高さの払拭につながればと考えております。

靴の仕上げ

日中の陽射しは既に春の暖かさです。

庭に出ると香りも春。色々な花が咲き始めていました。

 

先日、昨年オーダーをしていただいた靴が神戸から届きました。ここから最後の仕上げです。

まずは半敷き(ソックシート)をセッティング。

 

乳化性のクリームで革のコンディションを整え、磨きます。ご要望があれば油性のワックスで更に磨き上げます。

 

最後にそれぞれの靴に合わせた長さで靴ひもをカット。両端を専用の金属パーツで留めて、穴に通します。これでお客様に履いていただける状態になりました。

革靴はお客様に履き始めていただいてからが本当のスタートですので、ここでホッとすることはできません。とはいえご注文いただいた靴が綺麗に形になった嬉しさは何とも言えないものです。ご注文いただいたお客様、靴を製作していただいたANCHOR BRIDGEさん、本当にありがとうございます。完成した靴とともに、お客様のご来店をお待ちしております。

互いに学び、知り…

本日からアトリエショップをオープンしております。

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日中は風もなく穏やか。日射しが暖かく、暖房無しでも過ごすことができました。

自宅兼用のアトリエショップではありますが、リラックスして革靴などのご相談やお話ができるような環境を作り続けていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

移転や改装で諸々の整理をする中、唯一全巻を所有している漫画「もやしもん」に目を通してしまいました。もちろん一部のみではありますが。

「もやしもん」は菌が見え、その菌と会話もできる主人公の大学生活を描いた作品。読み進める中で、お酒を中心とした発酵食品について知ることもできます。発酵や食について語られる中では興味深い表現が所々に見られ、ふと読み返したくなります。

消費者と売り手は互いに学び、知り、チェックし合い、支え合うのが正しい考えなんだと思うよ

これはコミックス9巻での担当教授の言葉。最初に読んだ時も、読み返した今も、思わずこのページで手を止めてしまいました。

革靴に携わる者としてきちんとした知識を伝えつつ、お客様からも学び、知る。”互いに”の姿勢を忘れず、精進していかなければと思わせてくれます。

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革靴との付き合い方のカテゴリでは、革靴を長く愛用するための方法や考え方をお伝えしております。既に革靴を愛用している方はもちろん、お気に入りの一足を初めて見つけたという方にもご一読いただければ幸いです。

水との付き合い方

日中の気温は上がっていますが風が強いです。夜には気温が下がりそうですし、まだまだ防寒対策は欠かせません。

防寒対策のポイント、首回り。チクチクが苦手ということもあって、私はこんなストールを使っています。

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こちらはm’s braqueのセネガルストール。独特の風合い、着用感、どれも気に入っています。

新品の時はもっと光沢がありましたが、水に通すことでこのような質感に変化してきました。「水を通せる」ことはストールを選ぶ際の大切なポイント。手持ちのストールは水を通せるものばかりですので、気軽に洗えていつでも快適です。

 

さて、この「水を通せる」というのは革(革靴)選びでも大切なポイントです。

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「水を通せる」と言うと大げさですが、ある程度水を吸ってくれる革の方が何かと扱いやすいです。

雨や雪で革靴が濡れたタイミングで、表面に白い汚れが浮いてくる”塩浮き”や、凹凸ができてしまう”銀浮き”といったトラブル。これらは革靴を水拭きや水洗いすることで解決できるケースが多いです。そのため革表面の加工などが強くて水を通しにくい革は、この手のトラブルの対応に困ってしまうのです。また日常のメンテナンスにおいても水を通してくれる革の方が、クリームによる補色がしやすかったりと手入れのやり甲斐もあります。

水は革の大敵ではなく、上手く付き合っていくもの。そのように考えていただくと、革靴をもっと楽しむことができると思います。

嫌いにならない方法論

ダンスを嫌いにならない方法論を取らないといけない。

先週と同じく、日曜日の音楽番組「関ジャム」から。中学校でダンスが必修化されていることなどを受けての、振付稼業air:man 杉谷さんのコメントです。

 

これまた色々と考えさせられます。

必ず通る道であれば好きになるきっかけにも、嫌いになるきっかけにもなる。それは学校の授業に限らないことではないかと。

こと革靴ですと嫌いになるきっかけを早い時期に、しかも強く感じてしまうことが多いのではないかと思いました。例えば学校指定の革靴がカッコ悪くて、しかも足に合わない。例えば就職活動時に革靴で歩き回って、痛い思いをした。などなど。

そう思ったからこそ、嫌いにならないための方法論や視点は忘れずにいたいです。

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例えば靴紐を結ぶ、解く。これを革靴と付き合うために絶対必要なことと断定せず、エラスティック(ゴム素材)やジッパーなどを上手く活用してみる。このような発想も必要なんだと思います。

昨晩はテレビを観ながらそんなことを考えていました。

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