チャッカーブーツ

サンプルシューズのご紹介です。今回の一足、店頭に並んだ靴の中では最もドレス感が強いと思います。

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黒のチャッカーブーツです。革はイタリアのタンナー・ゾンタ社のOLD ENGLANDを使っています。この革については、過去記事ゾンタのOLD ENGLANDにて詳しくご紹介しております。

 

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紐を通す穴の数は3つ。

 

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羽根の切り返し、形状はこのようなバランスです。

 

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底付けはマッケイ製法。コバ(靴底の側面)の張り出しは抑えめです。

 

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1枚目が今回のチャッカーブーツ。2枚目が前回ご紹介したカジュアル感を強めたパンチドキャップトゥの靴。コバの張り出しによるボリューム感の違いがお分かりいただけるかと思います。

 

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底材は革(レザーソール)です。生地仕上げという、着色しない方法で底面を仕上げています。

 

ちょっと細めのジーンズに白のボタンダウンシャツ、グレーのニットベストに黒のコーデュロイジャケットを羽織って。そんな綺麗目なコーディネートがパッと思い浮かびました。

同じ木型なのにこんな綺麗な靴にも仕上がる。「これだから革靴は面白い!」と改めて感じさせてくれる1足になりました。

チャッカーブーツ

甲革:ゾンタ・OLD ENGLAND

底材:革(レザーソール)

製法:マッケイ

オーダー価格:¥75,600(税込)

完成まで2~3ヶ月

パンチドキャップ

製作をお願いしていたサンプルシューズが届きました。自分が履く靴であってもなくても…新しい靴の箱を開ける瞬間はドキドキ、ワクワクしてしまいます。

 

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パンチドキャップトゥの短靴です。革はイタリアのタンナー・MPG社のNEW YORKを使っています。経年変化を楽しむのに最適な、タンニン鞣しのオイルドレザー。(この革については、以前こちらの記事でご紹介しております)

 

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一文字の切り返しに、一つ穴の装飾。

 

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ストームウェルトを縫いつけた9分仕立てです。

 

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革や底周りの仕様を考慮して外ハトメにしました。外ハトメにするとカジュアルさが増します。

 

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底材はビブラム社の700ソール。重さはありますが、グリップ性、耐久性ともに文句無しの底材です。

 

ざっくりとしたウールのジャケット、ボタンダウンシャツ、ジーンズにこの靴を履いたら最高だと思います。もう少しカジュアルに、カバーオールやCPOシャツに合わせても良さそうですね。パッと見は普通の黒い革靴なのですが、この靴を眺めていると「どんな洋服に合わせて履いてみようか?」と想像するのが楽しくなってしまいます。みなさまも是非店頭で実物を手に取って、イメージを膨らませていただければ幸いです。

パンチドキャップシューズ

甲革:NEW YORK

底材:ビブラム#700

製法:9分仕立て(ストームウェルト)

オーダー価格:¥97,200(税込)

完成まで2~3ヶ月

マッケイ製法と9分仕立て

昨日の寒さにはさすがにビックリしました。ガスストーブがすぐに使える状態で助かりました。季節の移り変わりは好きですが、本格的な寒さにはもう少し待っていてもらいたいものです。

オーダーシューズの革、底材のご紹介がある程度できましたので、今回は「靴の製法」についてお話いたします。靴の製法とは、靴本体(革を縫い合わせてできたもので、アッパーと呼びます)と底材を接合する方法です。靴の製法は実に様々なものがありまして、それぞれに特徴があります。delightful toolではマッケイ製法と9分仕立て(ハンドソーンウェルテッド製法)の2つからお選びいただき、靴を製作していきます。

まずはマッケイ製法。

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こちらはマッケイ製法に使う中底(インソール)と呼ばれる革のパーツです。厚みは3ミリほど。マッケイ製法では中底、中底に折り込んだアッパー、靴底の3つを専用のミシンを使って直接縫い合わせて接合します。非常にシンプルな製法です。

 

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出来上がった靴の内側(中底)と底面を見ると、縫い合わせた糸が見えます。

この上からもう1枚ゴム底やスポンジ底を接着剤で接合する方法(マッケイ+セメント製法)もあります。以前ご紹介したこちらの靴などは、マッケイ+セメント製法で作られています。

 

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マッケイ製法の特長は履き始めから屈曲性が良く、軽いこと。またシンプルな製法ゆえに、デザインの制限を受けにくいです。すっきりとスマートな靴、またリラックスした軽やかな靴を作るには最適な製法です。

アッパーへの装飾追加やブーツ仕様でなければ、マッケイ製法でのオーダー価格は¥70,200(税込)です。ブーツの場合は+¥5,400(税込)のオプション料金がかかりますが、革や底材による価格の違いはございません。

 

次に9分仕立て。

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こちらが9分仕立てに使う中底です。厚みは5ミリほどありますので、マッケイ製法に使う中底に比べてだいぶ厚みがあります。中底の裏面には溝を掘るなどの加工を施します。9分仕立てでは、加工された中底、中底に折り込んだアッパー、細革(ウェルト)の3つを手で縫い合わせます。その後、ウェルトと本底をミシンで縫い合わせます。マッケイとは違って縫いを2回かけることになります。

 

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靴底の周囲にある、縫い目が走ったパーツがウェルトです。

 

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底面にはウェルトと本底を縫い合わせた糸が見えます。

 

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9分仕立てで作られた靴はマッケイ製法の靴に比べて重くなりますが、その分カッチリと耐久性の高い靴ができます。耐久性が高いからといって硬い靴ではなく、(多少の履き慣らしは必要ですが)柔軟性も十分に感じられます。また厚みのある中底は、履いていくうちにその人の足裏の形状に変化していきます。使い込むと履きやすくなると言われるのはそのためです。より長く付き合える靴、長めの距離を快適に歩ける靴を作るには最適な製法です。

アッパーへの装飾追加やブーツ仕様でなければ、9分仕立てでのオーダー価格は¥97,200(税込)です。ブーツのオプション料金はマッケイ製法と同様に+¥5,400(税込)ですが、革や底材による価格の違いはございません。

 

革靴において製法は大切な要素です。しかし同じ製法でも、どんな革や底材を組み合わせるかで靴の雰囲気も履き心地も変わります。大切なのはオーダーする目的に合わせて製法、革、底材などを適切に組み合わせることだと考えています。

「どのようなシチュエーションで、週にどのくらいのペースで履くのか?」「どのくらいの距離、どのような路面を歩くのか?」

オーダーしていただいた革靴が道具としてしっかり機能するよう、このような条件と靴の仕上がった雰囲気、ご予算などを加味して最適な組み合わせをご提案いたします。

ビブラム社の2060ソール

こんなにすっきりした「雨のち晴れ」ってあるのだろうかと嬉しくなります。気持ちの良い午後です。

今回は底材紹介の第4回。ビブラム社の2060ソールです。

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スポンジソールのため厚みがあっても軽く、クッション性が高い底材。もう少しカジュアル色が強い靴に使われることが多いかと思いますが、このサンプルシューズは「靴本体とのギャップが楽しいかな」と考えてこのような組み合わせになっています。

 

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真横から見ると、この底材が持つボリューム感がわかりやすいです。この2060にはよく似た見た目の2021という底材があるのですが、実はそちらに比べればすっきりしています。

 

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ヒール部分は本体と一体成型のユニットソールです。

2060ソールはデザインや革との合わせ方次第で、「外し」「遊び」の色が出ます。ちょっと変化球のカジュアル靴をご希望でしたら、特にお勧め。もちろん機能面でも安心の底材ですので、気になる方は店頭でご相談ください。

オーダーシューズでお選びいただける底材のご紹介は今回で一区切りとさせていただきます。あと2つご紹介する予定の底材があるのですが、そちらはまだサンプルが届いておりませんので。サンプルの到着まで、もうしばらくお待ちください。

ダイナイトソール

「気温差5度で衣服一枚分」と言われているそうです。恥ずかしながら私は昨日流れていたラジオで初めて知りました。今日の東京、予報での最高気温は15度。外に一歩出ると、コートを一枚羽織って正解と思う寒さでした。

 

さて、昨日に続きオーダーシューズでお選びいただける底材のお話です。今回はこちらの靴に使われているダイナイトソール(ハルボロラバー社のスタッドソール)について。

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スタッドstudded(正確にはスタッデッド)ソールの名前通り、丸いポイントが点在しています。新品のうちは接地部分の面積が狭いため「ゴム底の割に滑るな」と感じられるかもしれませんが、しばらく履いて底が若干すり減ってくると落ち着くはずです。そこからがダイナイトソールの本領発揮でグリップも効いてきます。接地感は硬いものではなく、衝撃吸収にも優れています。

 

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またゴム底ながら見た目がすっきりと仕上がります。これもダイナイトソールの良さです。

 

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ヒール部分は独立しています。ある程度すり減ったところで、トップピースと呼ばれる部分のみの交換修理ができます。

「綺麗なバランスで靴をオーダーしたいけれど、革底(レザーソール)は滑るから…」とお考えであれば、ダイナイトソールは良い選択です。多くの革靴に採用されているのも納得の底材です。

※ダイナイトソールは底に縫いをかける際の兼ね合いで、マッケイ製法ではお選び頂けないことがあります。

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