この靴、好きです。

正直意外でした。

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「この靴の雰囲気、好きです」「良い味出ていますね」

サンプルシューズと一緒に並べたこの靴をご覧になったお客様から頂戴した声です。

 

3年ほど私が履き込んだ靴。もちろんメンテナンスはしています。でも凄く大切に手を加え続けたわけではありません。大雨でも雪でも、結構お構い無しに履いてしまったため所々に水染みも残ってしまっています。(その時々にしかるべき処置はしてきましたが)

そんな靴を「良い」と言っていただけることに、驚きと同時に嬉しさも感じております。革の味もキズも染みも…日常の道具として機能してきた証ですので、それも靴の一部として受け入れていただけることが嬉しいです。

この靴と同じような雰囲気、バランスでオーダーしていただくには、革はイタリア製のオイルドレザーがお勧めです。製法は靴本体、底材などをしっかりと縫い合わせて接合する9分仕立てをお選びください。この製法ですと靴のボリューム感をコントロールしやすいですし、耐久性や安心感を高めることができます。底材はビブラム#700(画像の靴に使われている底材)など、厚みのあるラバーソールが良いと思います。

上記の仕様、プレーントゥのデザインでオーダー価格は税込¥97,200。オーダーを頂いてから完成までは2~3ヶ月です。

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このような靴はデニムなどに合わせて、気軽に楽しんでみてください。

履き心地の良さ?

本当の履き心地の良さってなんだろう?

靴に携わる多くの人が考える問題。でも絶対と言える答えは見つからない。

 

あらゆる靴メーカー、ブランド、ショップ…

それぞれに履き心地を良くするための論理(少し大げさですが)があります。大切なのは靴を履く人が何を求め、どう感じるか。ですので革靴を買う時は、その靴を良く知っている販売員と十分にコミュニケーションを取ってほしいです。合わないと感じたら「買わない」と決断する勇気も必要だと思います。

革靴のこと、あまり知らなくても大丈夫です。プロであれば、カウンセリングで必要なことをきちんと聞いてくれますので。私もカウンセリングには、十分な時間と力を注ぎます。delightful toolの靴ではご要望にお応えできないことがあるかもしれません。そんな時は「ここなら…」と思えるブランドや靴屋さんのご案内もいたします。

 

長くなってしまいました。最後に履き心地を良くするためのdelightful toolなりの考えをお伝えします。

踵から土踏まず周辺は、しっかりとホールドする構造です。靴ひもをはギュッと締めて履いてください。

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それに対して親指の付け根から小指の付け根部分は、締め付けが強くならないようにしています。指先には適度な開放感があります。

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当たると痛みが出やすい小指部分。当たりが出にくいよう、独特のラインを描いています。

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計測、試し履きをしたからと、無理なお勧めはしませんのでご安心ください。「どんな靴なのか?」「好みに合うのか?」ご自身の足で感じていただければ幸いです。

カジュアルに革靴を履いて欲しい

昨日ブログの最後でお話した、カジュアルスタイルに革靴を合わせて欲しいと私が考える理由。

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それは革靴に親しみ、たくさん履いて欲しいからです。

革靴はカッチリ、フォーマルなアイテム。そのイメージが強ければ「スーツのときは革靴」「カジュアルにはスニーカーやワークブーツ」となりますよね。これではスーツを着ない人は革靴を履かなくなってしまう…と寂しい思いがありました。

革靴はスニーカーに比べれば履き心地は固く、扱いにくいと思われるかもしれません。しかし副資材など目に見えないところまで気を配って作られた革靴は、履き続けることで持ち主の足に馴染み、年月を重ねた革は良い味が出てきます。修理とケアを続けることで長く付き合えるのも革靴の魅力です。

こんな革靴の魅力に気づいてもらうには皆さんの日常に溶け込み、たくさん履いてもらうしかない。そんな思いで、カジュアルに合わせやすいバランスの革靴に仕上げています。これならデニムやチノパン、オックスフォードのボタンダウンシャツのように、皆さんの普段着として活躍してくれるはずだと。(素材の組み合わせ次第で、スーツに合わせていただけるようにもしています)

「カジュアル」の言葉にはこのような思いを込めております。「革靴のある生活って良いよね!」と共感してくれる方が少しずつでも増えてくれれば、本当に嬉しく思います。

カジュアルな革靴

delightful toolの革靴は、コンセプトの1つとして「カジュアルスタイルにも合わせやすいこと」を掲げています。

カジュアルスタイルで履く革靴のポイントは、適度な丸みとボリューム感だと考えています。

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ノーズ(先端)の長さも大切です。決して長すぎないように。

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たとえ黒の内羽根ストレートチップ(最もフォーマルと言われる靴のデザイン)であっても適度な丸みとボリューム感さえあれば、カジュアルスタイルに合わせても問題無いと思っています。

 

裾幅21センチほどのパンツに合わせて履くとこのようなバランスになります。(靴のサイズは25.5)

デニムに合わせて。

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ミリタリーパンツに合わせて。

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いかがでしょうか?

 

カジュアルスタイルは人それぞれ、また足のサイズも人それぞれ。delightful toolの考えるバランスは全ての方には当てはまりません。それでもデニムやチノ、はたまたミリタリーパンツに合わせた際、「良いな」と思っていただけるバランスには注意しています。

革靴をカジュアルに履くことに疑問を持たれた方も、サンプルシューズを履いて鏡を見てください。「意外と良いな」と感じていただければ幸いです。

私がカジュアルスタイルにも革靴を合わせて欲しいと考えるのは、実は色々と理由があるのですが…それはまたの機会にこちらのブログで書かせていただきます。

ハンドメイドとマシンメイド

「ハンドメイド」「マシンメイド」

革靴の世界では耳にする機会が多い言葉です。ハンドメイドは人の手で作る、マシンメイドは機械で作る。とはいえ実際は2つの要素が組み合わさり、形になっている靴がほどんどです。ですので100%ハンドメイドと言い切ることは難しいです。

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delightful toolでは人の手をかけつつ、機械もバランス良く使った靴作りを意識しています。

例えば靴を成形する作業(つり込み)は人の手を十分に加えることで、ベースになる型(木型)の曲面的なラインをしっかりと出す。造形としての綺麗さはもちろん、履き心地も良くなります。

縫う作業や削る作業は機械を使って効率良く。機械と上手く付き合うことでコストを抑え、価格面でのバランスも取れればと考えています。

ホーム 靴について ページ 12
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