平紐
2017.01.28 saturday
保管していた靴紐が絡まりそうになっていたので、綺麗に巻き直しました。
delightful toolでは、このような平紐をロールで管理しています。ここからオーダーをしていただいた靴に合わせて、カットと加工(ほつれないように両端を金具で)をします。
ロウを引いていない平紐がdelightful toolの標準仕様です。使い始めから引き締めがしやすく、ほどけにくいというメリット(+私の好み)からこのタイプの紐を選びました。ロウ引きの紐に比べて強度の面では多少デメリットがありますが、靴紐が馴染むまで頻繁に結ぶ直す面倒さを考えての結果です。
ちなみにこの紐はしばらく使っていくと、このように見た目が細くなります。引き締めを繰り返して紐が引っ張られることで、若干伸びて、太さにも変化が出たと考えられます。実は新品の状態はちょっと太いかなと感じていたので、ちょうど良かったと思っています。
普段平紐を使われない方も、一度騙されたと思って使ってみてください。平紐の思わぬ魅力や使い心地に気づいていただけるかもしれません。
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外ハトメと裏ハトメ
2017.01.24 tuesday
本日は靴の仕様についてのお話です。
靴紐を通す穴という、小さな部分の話ではありますが。
こちらは外ハトメと言いまして、紐を通す穴を表と裏の両面から金属パーツで補強しています。
こちらは裏ハトメと言います。その名の通り、裏面のみからの補強です。
構造上は外ハトメの方が強度があるはずですが、日常の使用においてはどちらも遜色はありません。以前お話したウェルトと同様、見た目を重視してお選びください。カジュアルさやカントリーっぽさを出すなら外ハトメ、すっきり見せたいなら裏ハトメ。このくらいの感覚でOKです。
外ハトメはパーツの色もお選びいただけます。黒・茶の他、以下の3種類があります。
アンティークゴールド。
私のイチオシです。NEW YORKやBELUGAといった革に合わせていただきたいです。ちなみに靴紐の端を留める金具とほぼ同じ色味・質感ですので、靴全体に統一感も出せます。
ニッケルシルバー。
あまり光沢が無く、上品なシルバーです。黒の革に合わせてみてはいかがでしょうか。
真鍮生地。
既にくすんできていますが、これが真鍮の面白さ。NEW YORKと合わせて、経年変化を楽しんでいただきたいです。
「どちらの仕様にするか?」「どの色にするか?」
直感で全く問題ありませんので、楽しんでお選びください。もし悩んでしまう時は私にお任せください。良い塩梅に仕上がる仕様と色をお選びいたしますので。
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平ウェルトとストームウェルト
2017.01.13 friday
グッドイヤーウェルテッド、ハンドソーンウェルテッド(9分仕立て、10分仕立て)の革靴には、ウェルト(細革)と呼ばれるパーツがあります。
アッパー(足を覆う部分)と底材の間、隙間を埋めるようにグルッと取り付けられています。画像の縫い目が走っている部分です。靴として完成した状態では見えませんが、ウェルトはアッパー、中底(インソール、足の裏が触れるパーツ)と縫い合わされています。
このウェルト、delightful toolのオーダーシューズでは2種類からお選びいただけます。
一つは最初の画像のような、平ウェルトと呼ばれるもの。名前の通り、部材の状態では平べったい細い革です。
もう一つはストームウェルトと呼ばれるもの。
正面から見ると、L字になっています。ストームウェルトは水などを入り込みにくくするため、このような形状になったと言われています。
しかし実際は日常生活の雨くらいであれば、平ウェルトもストームウェルトもこの機能において大差はありません。ですのでどちらのウェルトにするかは、見た目や雰囲気で選んでください。あまりボリュームを出さずに、すっきりとした靴にしたい場合は平ウェルト。逆に靴全体にボリュームを出したい場合はストームウェルト。このような選び方でOKです。
どちらを選ぶか迷われた場合は「お任せで!」とおっしゃってください。その靴を履く際の服装、靴全体のバランスを考慮して最適なウェルトをご提案いたします。
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軽い靴、重い靴
2017.01.09 monday
店頭に並んでいる靴を手で持つと、ものによって重さが違います。ズシッと重さを感じる靴から、アレッと思う軽さの靴まで様々です。
靴の重さは、靴を構成するあらゆる部材の重さの合計。その中でも靴の重さを大きく左右する部材は底材(ソール)です。
スポンジや発泡させたゴム素材の底材は軽いです。ビブラム社の2060ソールや2810ソールがこの手の軽い底材です。
ゴム素材で厚みがある底材は重いです。同じビブラム社の底材でも、700ソールはズシッと重さを感じます。
靴の重さに関しては様々な考え方があります。delightful toolでは、その靴を履くシチュエーションやお客様のお好みによって軽い底材をお勧めすることも、重い底材をお勧めすることもあります。
靴の重さは、履き慣れた感覚から大きくずれてしまうと違和感があるはずです。一人一人に合わせた「つい履きたくなる一足」をお作りできるよう、重さも含めたご提案を続けていきます。
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チャッカーブーツ再考
2017.01.06 friday
暖かそうな日差しに期待して外に出たことを後悔しました。最高気温は10度を下回っていたのですね。これからはもう一段階寒さに耐えられるアウターの出番になりそうです。
寒さが厳しくなってくると、足首まで覆ってくれるブーツのありがたみを感じます。
7アイレットや8アイレットのブーツに比べて丈は短めですが、チャッカーブーツも同じ安心感があります。
しかしチャッカーブーツ最大のメリットはこの部分の構造にあると思います。
紐を解き、ガバっと広げることが容易にできます。
タン(親指を添えている部分)を引っ張れば、履き口はここまで広がります。
チャッカーブーツは他の紐靴に比べて、履くことも脱ぐことも簡単です。紐靴のホールド感の良さと、着脱における機能性の高さを備えたチャッカーブーツ。何年か履いていないデザインでしたが、久しぶりに一足欲しくなってきました。
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