木型の補正

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

関東では晴天が続き、革靴を気持ち良く履くことができています。ありがたいことです。

 

2017年1回目のブログは木型についてのお話です。

delightful toolの靴は足を計測してから1足ずつ製作しますので、ベースとなる木型を補正することもあります。

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補正する際はこのように木型に革を当てます。例えば「サイズ25だと小指が少し当たるけれど、25.5にサイズを上げると全体的に緩くなる」といった状況でこの調整を行います。25の木型の小指部分に革を当てることで、完成した靴の小指周りには少しのゆとりができます。これが「乗せ甲」と呼ばれる木型の補正方法です。

delightful toolではこの乗せ甲での補正のみ行っております。木型を削るといった方法もありますが、乗せ甲以外の補正は最終価格がある程度上がってしまいます。ベースとなる木型のバランス、価格面を考慮して乗せ甲のみに絞り込んでいます。

足の計測、外で履けるサンプルシューズの試し履き、乗せ甲での木型補正、ANCHOR BRIDGEでの製作…全ての流れが、お客様にとっての良い一足につながればと思っております。

革靴をカビから守る

快晴です。気温は低いですが、関東の冬らしい爽やかさが心地良いです。

昨日の雨に降られた靴はいかがでしょうか?乾いてきましたか?この時期であれば気温が低いためそれほど心配はありませんが、雨に降られた靴はカビの発生にも注意が必要です。

カビが生えやすい部分は大体決まってますので、この3カ所に注意してください。

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一つ目は中底(インソール、足の裏が触れる部分)です。特に先端部分は要注意です。

 

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二つ目はコバ(底材の側面)です。ゴム底の靴であっても、この部分がカビにやられてしまうことはよくあります。

 

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三つ目は本底。レザーソール(革底)の場合は絶対です。

濡れた靴をしっかり乾燥。その後汚れを落として、湿度と温度を低い状態に保てればカビの心配はありません。とはいえ、そこまでの管理が徹底できないのが現実。そこで皮革製品に使えるカビ用クリーナーを活用します。

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こちらはM.モゥブレイのモールドクリーナーというカビ専用のクリーナーです。このアイテムはカビが生えてからよりも、カビを予防する際に真価を発揮します。靴の乾燥中、上記3カ所にスプレーしてください。それだけでカビの発生を抑えてくれます。消毒用のエタノール、オキシドールなどカビ対策には色々なものを使ってきましたが、カビ専用だけあってモールドクリーナーの効果は抜群です。

大切な一足を守るために、このようなケア用品も是非活用してください。

乾燥や保管に良い場所

久しぶりの本降りです。油断して普通のスニーカーで出てしまい、インソールにも水が。店で革靴に履き替えましたので、夜までできるだけスニーカーを乾かします。

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スニーカーであれ、革靴であれ雨に濡れた時は乾燥させる必要があります。

乾かす際のポイントはしっかりと風を通すこと。玄関にそのまま置きっぱなしはお勧めしません。少し高いところ(靴専用のラックがあればベスト)に逃がして、扇風機や除湿機で風を送ると良いです。ストーブなどの温風を近距離で当てるのは革に良くないのでご注意ください。

木造の戸建てで生活していてやっと気付いたのですが、どこで乾燥させる(保管も)かは結構大切です。家の中には風通しの良い場所や悪い場所があります。できるだけ空気が動く場所を見つけて、そこで乾燥や保管ができるとベストです。良い場所がなければ、扇風機や除湿機を上手く活用してください。大切な一足のため、乾燥や保管にも少しの気遣いをお願いいたします。

中底との付き合い方

足の裏が触れるパーツ、中底

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delightful toolの靴はマッケイ製法ではこちらの3ミリ厚の革を、9分仕立て(ハンドソーンウェルテッド)では5ミリ厚の革を使用しています。中底は履き込んでいくうちに足裏の形状に変化し、その人専用のインソールになります。中底は履き心地を左右する、とても重要なパーツなのです。

中底に使っている革は、より長く持つようできるだけ良いものを選んでいます。とはいえ連日履き続けたり、雑に扱ってしまえば中底は劣化して割れてしまいます。慎重に扱う必要はありませんが少しの気遣いと、たまのメンテナンスをお願いいたします。

メンテナンスはこちらの2ステップ。

1. つま先に溜まったホコリを取り除きます。

2. ロウ分少なめ、保湿力重視のクリーム(デリケートクリーム)を塗ります。

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基本はこれだけでOKです。中底のコンディションにもよりますが、3ヶ月に1回くらいのペースで十分。革靴本体もそうですが過保護はいけません。

実は中底を長持ちさせるために一番重要なのは、一日履いたら十分に休ませること。丸二日は休ませてあげてください。休ませる目的は足から吸った汗などの水分を抜くことですので、雨に濡れた場合はさらに休ませる日数を確保します。

十分な休息にメンテナンスを加えれば、中底の持ちは確実に良くなります。少しの手間と時間をかけてあげることが革靴と長く付き合うコツです。お気に入りの一足が、より長くみなさまの足元を支えてくれることを願っております。

マッケイ+セメント製法に組み合わせる底材

軽やかさと修理の合理性を持ち合わせた製法、マッケイ+セメント製法。革靴に軽さと柔らかさを求める方には特にお勧めです。

delightful toolではマッケイ+セメント製法に組み合わせる底材として、2つの部材をご提案しております。

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一つはビブラム社の2810ソール。従来のゴムよりも軽い発泡ゴム素材、ガムライトで作られた底材です。見た目のボリュームはそれほどありませんので、プレーントゥやストレートチップのデザインに合わせればビジネスにも対応できます。(スーツよりはジャケットパンツのスタイル向きですが)

 

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もう一つはビブラム社の2060ソール。スポンジソールのため軽いです。クッション性も抜群。見ての通りボリュームがある底材のため、カジュアル仕様の革靴向きです。プレーントゥ、ストレートチップ、ウィングチップなど、スタンダードなデザインに合わせることで「外し」が楽しめる底材でもあります。

2810、2060ともにマッケイ+セメント製法に組み合わせる際のバランスを考え、選んだ底材です。2810はサイズサンプル(現在は25、25.5、26の3サイズ)がございますので、軽さとクッション性を体験してみてください。

ホーム 靴について ページ 6
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