靴紐の困りどころの解決とアクセントに

靴紐の両端部分。

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うっかり踏みつけると、割れてしまうことがあります。新しい紐でやってしまうと結構ショックです。そうなってしまうと紐を外す、通すといった作業がやりにくくなりますし、何より不恰好です。

 

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delightful toolでは紐はロールで管理していて、靴に合わせた長さでカットします。

 

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そして紐の両端はほつれないよう、このような金属を専用のペンチで留めます。

 

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素材が金属ですと潰れて変形することはあっても、割れることはありません。まれに抜けてしまうこともあるのですが、delightful toolで使っている紐はロウが引いていない平紐ですのでその心配も少ないです。もし変形した場合はペンチで締め直せば、だいたい元の形に戻ります。

機能としてのメリットはこのようなところです。それと、わずかに重厚な雰囲気が出ることも金属で留める良さだと思います。ちょっとしたアクセントですね。

カカトを合わせて靴を履く

「そちらの靴、大切に履いていますね」

数年前、ある靴磨き屋さんからかけていただいた言葉です。傷がない綺麗な靴ではなかったです。おそらく磨き屋さんは、靴のことを考えて丁寧に履いていることを褒めてくださったのだと思います。

普段使いの革靴でも、丁寧にきちんと履くことは大切です。例えば靴に足を入れるとき。

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靴ベラを使うのはもちろん大切。

 

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カカトをきちんと合わせることも大切です。つま先を少し上げて、靴の後方にカカトを収める。

 

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最後に靴紐をギュッと締めます。これで足がホールドされます。

靴紐が緩んだ状態はもちろん良くありませんが、カカトを合わせていない状態で靴紐を締めてしまうのもいけません。丁寧にきちんと靴を履くことは、靴が持っている機能を引き出すことにもつながります。少し手間はかかりますが、ほんの少し気持ちと時間に余裕を持って靴を履いてみてください。

靴紐の通し方を見る

先日のブログでご紹介したdelightful toolのスタンダード、ロウが引いていない平紐。

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嬉しいことにツイッター上で思った以上に反応がありました。この手の紐を好まれる方がいらっしゃることを実感できて一安心です。

 

そんな靴紐のお話の続き。今回は靴紐の通し方です。

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店頭のサンプルシューズは、全てこのように紐を通しています。通し方にはきちんと名前がついていて「オーバーラップ」と言います。オーバーラップは緩みにくいため、スポーツシューズではスタンダードな紐の通し方です。

オーバーラップは機能面でdelightful toolの標準デザイン(外羽根というデザイン)との相性が良いと考えています。

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靴を脱ぐ際には紐を解いて、

 

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紐が交差している部分をこのように1カ所ずつ引っ張って緩めていきます。

 

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数カ所緩めると、紐を通しているパーツ(羽根と言います)をガバッと広げることができます。この靴紐を緩める工程。オーバーラップですと、紐の長さがバラつくことなく均等に緩めることができてストレスがありません。

紐の通し方には慣れや好みもあります。「この通し方が好きなんだよね」「機能的にこんな通し方ないかな?」などなど、お好みや疑問がございましたら遠慮なくぶつけてください。靴を履く方にとって最適な通し方をご案内いたします。

ちなみに紐の通し方を見ると、意外な発見があるものです。フランスやイタリアの著名な靴メーカーのショップに行く機会がございましたら、是非注意深く観察してみてください。

靴紐は脇役?

靴紐なんて脇役。そう思われるかもしれませんが、これが中々大切なものです。

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靴紐はしっかり締め上げてこそ靴本来の力が発揮されますし、すぐに解けてしまう紐はストレスになります。そのような点を考慮して、delightful toolではロウを引いていない平紐を使っています。

 

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強度を考えるとロウを引いた平紐もありますが、ロウ引きの平紐は使い始めが解けやすくイマイチしっくりきませんでした。また丸紐でなく平紐を選んだのは、解けにくくしっかり引き締められるからです。

見た目の好みが分かれるところではありますが、機能面を最優先に考えた結果ですのでご理解いただければ幸いです。

マッケイはグッドイヤーに劣るのか?

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セメンテッド、マッケイ、グッドイヤーウェルテッド、ハンドソーンウェルテッド…


革靴に興味を持って色々検索するか、靴雑誌を開けばほぼ確実に目にするワード達です。

上記のワードは全て「靴の製法」です。靴の製法というのは靴の上部(足を包む部分、アッパーと呼びます)と底材を接合する方法のこと。今回はそれぞれの製法の構造的な説明は省かせていただきますが、セメンテッド→マッケイ→グッドイヤーウェルテッド→ハンドソーンウェルテッドの順に製造における工程数が増えますし、人の手がかかります。ですので製法以外の条件が同等であれば、ハンドソーンウェルテッドの靴が一番高価になります。

※マッケイ製法とハンドソーンウェルテッド製法については、以前のブログでご紹介しております。

 

よくある誤解


ここで陥りがちなのが「工程数が多く、価格も高い製法で作られた靴が良い」という誤解です。例えばグッドイヤーウェルテッドの靴がマッケイの靴より絶対に優れていると捉えてしまうこと。これは実はもったいないです。靴の製法に関しては「明確な優劣は無い」と捉えていただいた方が、良い靴選びができます。

 

欲しい革靴のイメージが大切


大切なのはどんな革靴が欲しくて、どのように履きたいのか。なんとなくでも構いませんので、靴屋さんに行く前にイメージしてください。きちんとした靴屋さん、スタッフさんであれば的確なコミュニケーションでそのイメージを把握してくれるはずです。

「すっきりスマートな印象の靴」が欲しければ、お勧めされる靴はマッケイ製法かもしれません。

「長時間歩くため靴」が欲しければ、お勧めされる靴はグッドイヤーウェルテッド製法かもしれません。

「最初から柔らかく、価格が抑え目の靴」が欲しければ、お勧めされる靴はセメンテッド製法かもしれません。

靴の製法とは「この製法だから良い」ではなく、「(価格も含めて)このような靴にしたいからこの製法」として作る際に選ぶものです。ですので靴をお選びになる際も「この製法ありき」ではなく、「このように履きたいからこの製法」と考えると自然な流れで良いなと思います。もちろんこのご提案をきちんとするのは我々靴を販売するものの役割です。知識は必要ございませんので、ストレートに「こんな形、履き心地の靴が欲しい」とお伝えください。

ホーム 靴について ページ 8
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