チャッカーブーツ再考

暖かそうな日差しに期待して外に出たことを後悔しました。最高気温は10度を下回っていたのですね。これからはもう一段階寒さに耐えられるアウターの出番になりそうです。

寒さが厳しくなってくると、足首まで覆ってくれるブーツのありがたみを感じます。

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7アイレットや8アイレットのブーツに比べて丈は短めですが、チャッカーブーツも同じ安心感があります。

 

しかしチャッカーブーツ最大のメリットはこの部分の構造にあると思います。

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紐を解き、ガバっと広げることが容易にできます。

 

タン(親指を添えている部分)を引っ張れば、履き口はここまで広がります。

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チャッカーブーツは他の紐靴に比べて、履くことも脱ぐことも簡単です。紐靴のホールド感の良さと、着脱における機能性の高さを備えたチャッカーブーツ。何年か履いていないデザインでしたが、久しぶりに一足欲しくなってきました。

マッケイ+セメント製法に組み合わせる底材

軽やかさと修理の合理性を持ち合わせた製法、マッケイ+セメント製法。革靴に軽さと柔らかさを求める方には特にお勧めです。

delightful toolではマッケイ+セメント製法に組み合わせる底材として、2つの部材をご提案しております。

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一つはビブラム社の2810ソール。従来のゴムよりも軽い発泡ゴム素材、ガムライトで作られた底材です。見た目のボリュームはそれほどありませんので、プレーントゥやストレートチップのデザインに合わせればビジネスにも対応できます。(スーツよりはジャケットパンツのスタイル向きですが)

 

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もう一つはビブラム社の2060ソール。スポンジソールのため軽いです。クッション性も抜群。見ての通りボリュームがある底材のため、カジュアル仕様の革靴向きです。プレーントゥ、ストレートチップ、ウィングチップなど、スタンダードなデザインに合わせることで「外し」が楽しめる底材でもあります。

2810、2060ともにマッケイ+セメント製法に組み合わせる際のバランスを考え、選んだ底材です。2810はサイズサンプル(現在は25、25.5、26の3サイズ)がございますので、軽さとクッション性を体験してみてください。

靴紐の困りどころの解決とアクセントに

靴紐の両端部分。

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うっかり踏みつけると、割れてしまうことがあります。新しい紐でやってしまうと結構ショックです。そうなってしまうと紐を外す、通すといった作業がやりにくくなりますし、何より不恰好です。

 

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delightful toolでは紐はロールで管理していて、靴に合わせた長さでカットします。

 

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そして紐の両端はほつれないよう、このような金属を専用のペンチで留めます。

 

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素材が金属ですと潰れて変形することはあっても、割れることはありません。まれに抜けてしまうこともあるのですが、delightful toolで使っている紐はロウが引いていない平紐ですのでその心配も少ないです。もし変形した場合はペンチで締め直せば、だいたい元の形に戻ります。

機能としてのメリットはこのようなところです。それと、わずかに重厚な雰囲気が出ることも金属で留める良さだと思います。ちょっとしたアクセントですね。

靴紐の通し方を見る

先日のブログでご紹介したdelightful toolのスタンダード、ロウが引いていない平紐。

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嬉しいことにツイッター上で思った以上に反応がありました。この手の紐を好まれる方がいらっしゃることを実感できて一安心です。

 

そんな靴紐のお話の続き。今回は靴紐の通し方です。

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店頭のサンプルシューズは、全てこのように紐を通しています。通し方にはきちんと名前がついていて「オーバーラップ」と言います。オーバーラップは緩みにくいため、スポーツシューズではスタンダードな紐の通し方です。

オーバーラップは機能面でdelightful toolの標準デザイン(外羽根というデザイン)との相性が良いと考えています。

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靴を脱ぐ際には紐を解いて、

 

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紐が交差している部分をこのように1カ所ずつ引っ張って緩めていきます。

 

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数カ所緩めると、紐を通しているパーツ(羽根と言います)をガバッと広げることができます。この靴紐を緩める工程。オーバーラップですと、紐の長さがバラつくことなく均等に緩めることができてストレスがありません。

紐の通し方には慣れや好みもあります。「この通し方が好きなんだよね」「機能的にこんな通し方ないかな?」などなど、お好みや疑問がございましたら遠慮なくぶつけてください。靴を履く方にとって最適な通し方をご案内いたします。

ちなみに紐の通し方を見ると、意外な発見があるものです。フランスやイタリアの著名な靴メーカーのショップに行く機会がございましたら、是非注意深く観察してみてください。

靴紐は脇役?

靴紐なんて脇役。そう思われるかもしれませんが、これが中々大切なものです。

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靴紐はしっかり締め上げてこそ靴本来の力が発揮されますし、すぐに解けてしまう紐はストレスになります。そのような点を考慮して、delightful toolではロウを引いていない平紐を使っています。

 

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強度を考えるとロウを引いた平紐もありますが、ロウ引きの平紐は使い始めが解けやすくイマイチしっくりきませんでした。また丸紐でなく平紐を選んだのは、解けにくくしっかり引き締められるからです。

見た目の好みが分かれるところではありますが、機能面を最優先に考えた結果ですのでご理解いただければ幸いです。

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